変更登記の期限は2週間|起算日はいつ?数え方と登記別の整理

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結論から。株式会社の変更登記の期限は、登記事項に「変更が生じた日」から2週間以内です(会社法915条1項)1。2週間を数えるときは、原則として変更が生じた日そのもの(初日)は入れず、その翌日から数え始めます(民法140条)2

つまり、期限の計算は2段階に分かれます。①どの日に「変更が生じた」のかを特定する(起算点の特定)。②その日から2週間をどう数えるか(期間計算)。この2つは別の問題です。本記事は株式会社の一般的なケースを対象に、この順番で整理します。まずは早見表です。

項目内容
期限変更が生じた日から2週間以内に変更登記を申請(会社法915条1項)1
起算点登記の種類ごとの「変更が生じた日」(次の章の表で整理)
初日算入原則は入れない(翌日から起算)。期間が午前零時から始まるときは初日も入れる(民法140条)2
期間の満了末日の終了をもって満了(民法141条)3
末日が土日祝・年末年始行政機関の休日に当たるときは、その翌日が期限とみなされる(行政機関の休日に関する法律2条)4

期限の根拠は会社法915条1項

会社法915条1項は、登記事項に変更が生じた場合について「二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない」と定めています1。会社の商号(会社名)や目的(事業内容)、本店所在地はいずれも登記事項なので(会社法911条3項)5、これらを変えたときは変更登記が必要です。

法務局(登記を扱う国の機関)の案内にも、会社・法人の登記には登記すべき期間が法令で定められている旨が明記されています6。2週間は目安ではなく、法律上の期限です。

「変更が生じた日」はいつか(起算点の特定)

最初のステップは、どの日に「変更が生じた」のかの特定です。条文が「変更が生じたとき」を基準にしているため1、この日が起算点になります。登記の種類によって考え方が異なります。

登記の種類変更が生じた日(起算点)
本店移転実際に移転した日。決議しただけでは移転は生じず、決議後に移転したときは移転日が基準になります7
目的変更原則は株主総会の決議日。決議で効力発生日を別に定めたときはその日から変更が生じると考えられます18
商号変更目的変更と同じ考え方です。商号は定款(会社の基本ルール)の記載事項で、定款変更は株主総会の決議によって行うためです(会社法466条)8

本店移転は「決議日」ではなく「移転した日」

本店移転で注意したいのは、株主総会や取締役会の決議日と、実際に引っ越した日がずれるケースです。法務局の本店移転の記載例では、登記すべき事項に記載する日付は「変更の決議をした議事録に記載されている移転の時期(実際に移転した日)」とされています7。あわせて、本店移転の日より前に本店移転の登記を申請することはできない、とも案内されています7。法務局の注意事項でも、登記の事由が発生する前の申請はできないと説明されています6

つまり、決議が先で移転が後なら、起算点は移転した日です。本店移転の手続き全体は法人の住所変更登記の全体ガイドで解説しています。

目的変更・商号変更は原則「決議日」

目的や商号の変更は定款変更そのものなので、株主総会の決議によって行います(会社法466条)8。決議が成立すれば通常はその日に変更が生じます。決議の中で「令和○年○月○日から変更する」と効力発生日を定めたときは、その日から変更が生じると考えられます。目的変更の期限の詳細は目的変更登記はいつまで?をご覧ください。

なお、役員変更など、ここに挙げていない登記の起算点は就任承諾の時期などによって判断が分かれることがあります。個別のケースは司法書士または管轄の法務局にご確認ください。

2週間の数え方(期間計算)

起算点が決まったら、次は数え方です。日単位で定めた期間の計算には民法のルールが適用されます。

  • 原則: 初日は数えない(初日不算入)。 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は算入しません(民法140条本文)2。変更が生じた日の翌日が1日目です。
  • 例外: 期間が午前零時から始まるときは初日も数える。 民法140条ただし書は「その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない」と定めています2
  • 満了: 末日の終わりまで。 期間は、その末日の終了をもって満了します(民法141条)3

カレンダーで確認する具体例

例1: 7月1日に目的変更を決議した(効力発生日の定めなし)

変更が生じた日は7月1日です。初日不算入の原則により、7月2日が1日目になります。そこから2週間(14日)を数えると、14日目は7月15日です。期間は7月15日の終了をもって満了するため(民法141条)3、7月15日までに申請する必要があります。

7/17/27/15
決議日(数えない)1日目14日目=期限

例2: 決議で効力発生日を7月10日と定めた

効力発生日を定めたケースでは、決議の内容から効力がその日の午前零時から生じると解される場合には、初日を算入して数える整理になり得ます(民法140条ただし書)2。この整理によれば7月10日が1日目となり、期限は7月23日となります。初日を算入するかどうかで期限が1日変わるため、効力発生日を定めた場合の具体的な期限は、管轄の法務局または司法書士に確認してください。

末日が土日祝・年末年始に当たる場合

計算した期限の日が法務局の閉庁日だったら、どうなるのでしょうか。

行政機関の休日に関する法律は、①日曜日・土曜日、②祝日、③12月29日から翌年1月3日までの日を「行政機関の休日」と定めています(同法1条1項)9。そして、国の行政庁に対する申請の期限(法律で定める期間によるもの)が行政機関の休日に当たるときは、その休日の翌日をもって期限とみなすとされています(同法2条)4

たとえば計算上の期限が土曜日なら、翌日の日曜日も行政機関の休日なので、結果として次の開庁日である月曜日(祝日でない場合)が期限とみなされます。年末年始をまたぐ場合も同様に、1月4日以降の最初の開庁日まで繰り下がります。ただし、これは救済的なルールです。不備があると手続きが遅れる可能性もあるため、余裕を持って準備することをおすすめします。

期限を過ぎたらどうなるか

2週間の期限内に登記申請を怠った場合、会社の代表者は100万円以下の過料(かりょう。裁判所から金銭の支払いを命じられるもの)の対象になり得ます(会社法976条1号)10。一方で、法務局の案内では、期間経過後の申請であってもそのことだけをもって却下されることはない、とされています6。期限を過ぎても登記義務は残るため、気づいた時点で速やかに申請することになります。過料の仕組みと放置した場合のリスクの詳細は変更登記を放置すると過料はいくら?で解説しています。

判断に迷いやすいケース

次のようなケースは、起算点や数え方の判断が分かれることがあります。

  • 決議に条件を付けた場合(「許認可の取得を条件として移転する」など)
  • 効力発生日を定めたが、その前提となる事実の発生がずれた場合
  • 複数の変更を別々の日に決議し、まとめて申請したい場合

これらは一般論だけでは判断できません。司法書士または管轄の法務局にご確認ください。

よくある質問

Q. 郵送で申請する場合、期限内に「発送」すれば間に合いますか? A. 申請書がいつ受付されたかの取り扱いは申請方法によって異なります。郵送申請の受付日の扱いについては、期限が迫っている場合は事前に管轄の法務局にご確認ください。オンライン申請では、登記所での受付時間は8時30分から17時15分までで、17時15分以降に送信された申請書情報は翌業務日に受付されます11

Q. オンライン申請なら夜でも申請できますか? A. 登記・供託オンライン申請システムの利用時間は、月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)の8時30分から21時までです11。ただし前述のとおり、17時15分以降の送信分は翌業務日の受付になります11。書面・オンラインなど申請方法ごとの違いは変更登記の申請方法の比較をご覧ください。

Q. 決議日と効力発生日が違うときは、どちらから数えますか? A. 会社法915条1項の期限は「変更が生じたとき」が基準です1。決議で効力発生日を定めたときは、その日から変更が生じると考えられます。決議の内容から効力がその日の午前零時に発生すると解される場合には、初日を算入して数える整理になり得ます(民法140条ただし書)2。個別のケースの判断は、司法書士または管轄の法務局にご確認ください。

期限内の申請には書類の早めの準備が近道です

起算点を特定し、2週間を正しく数えても、議事録や申請書の作成に手間取れば期限は近づきます。書類作成の時間を短くすることが、期限内申請に向けた早めの準備につながります。

wiz法人登記は、フォームに入力した内容をそのまま反映して、本店移転や目的変更などの変更登記に必要な株主総会議事録・株主リスト・登記申請書をご自身で作成できるオンラインソフトウェアです(4,500円・税別)。個別の法的判断や申請の代理は行わず、作成した書類はご自身で確認のうえ法務局に申請いただきます。なお、登録免許税などの実費は別途必要です。


参照法令・出典(確認日: 2026-07-18)

免責

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。個別のケースについては、司法書士または管轄の法務局にご相談ください。記載内容は確認日(2026-07-18)時点の法令・公表情報に基づきます。

Footnotes

  1. 会社法915条1項(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 2 3 4 5 6

  2. 民法140条(期間の起算・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 2 3 4 5 6

  3. 民法141条(期間の満了・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 2 3

  4. 行政機関の休日に関する法律2条(期限の特例・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000091 2

  5. 会社法911条3項(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086

  6. 法務局 商業・法人登記の申請書様式 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html 2 3

  7. 法務局 株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所外に移転する場合)記載例 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252661.pdf 2 3

  8. 会社法466条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 2 3

  9. 行政機関の休日に関する法律1条1項(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000091

  10. 会社法976条1号(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086

  11. 法務省 商業・法人登記のオンライン申請について https://www.moj.go.jp/MINJI/minji60.html 2 3

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。 個別のケースについては、管轄の法務局または司法書士にご確認ください。 記事内の法令・税額等は、記事末尾に記載の確認日時点の情報です。

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