結論から。株式会社の本店移転登記申請書は、法務局公式サイト「商業・法人登記の申請書様式」ページから無料でダウンロードできます。 使う様式は、移転先が同じ法務局の管轄内なら様式1-13(管轄登記所内移転)、管轄をまたぐなら**様式1-14(管轄登記所外移転)**です1。
| 項目 | 管内移転 | 管外移転 |
|---|---|---|
| 様式番号 | 1-13(管轄登記所内移転)1 | 1-14(管轄登記所外移転)1 |
| 申請書 | 1通 | 2通(旧所在地宛て+新所在地宛て)2 |
| 提出先 | 管轄の法務局 | 2通とも旧所在地の法務局へ同時に提出23 |
| 登録免許税 | 3万円45 | 6万円(各申請書に3万円ずつ)6 |
| 申請期限 | 移転の日から2週間以内(会社法915条1項)7 | 同左7 |
本店移転の手続き全体(決議や書類の流れ)は会社の住所変更手続きまとめを、管外移転特有の「2通の経由申請」の仕組みは管轄外への本店移転登記の進め方をご覧ください。
申請書はどこでダウンロードできる?(法務局の公式様式)
法務局「商業・法人登記の申請書様式」ページ( https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html )の「第1 株式会社」>「3 商号・目的の変更、本店移転」に、次の2つが掲載されています1。
- 様式1-13: 株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所内移転) — 記載例(PDF)+申請書様式(Word/PDF)
- 様式1-14: 株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所外移転) — 記載例(PDF)+申請書様式(Word/PDF)
法務局のページでは、記載例(PDF)を「最初にこちらをご覧ください」と案内しています1。様式(Word)に自社の情報を入力する前に、記載例で全体像を確認するのが近道です。
なお、特例有限会社は様式2-5(管内)・2-6(管外)、合同会社は様式3-5(管内)・3-6(管外)が同じページにあります1。以下は株式会社の様式について解説します。
申請書の記載項目を上から順に解説
法務局の記載例23に沿って、申請書の各欄を上から順に見ていきます。
1. 会社法人等番号
12桁の会社法人等番号を記載します。記載例には「分かる場合に記載してください」とあります3。
2. フリガナ・商号
商号のフリガナは、会社の種類を表す部分(株式会社)を除き、片仮名で左に詰めて記載します。間に空白がある場合は空白を削除した文字で登録されます。このフリガナは国税庁法人番号公表サイトを通じて公表され、登記事項証明書には表示されません3。
3. 本店
変更前の本店を記載します23。ここに新住所を書いてしまう間違いが起きやすい欄です(新住所を書くのは後述の「登記すべき事項」)。ただし管外移転の新所在地宛て申請書(2通目)だけは、変更後の本店を記載します3。
4. 登記の事由
5. 登記すべき事項
管内と管外で書き方が変わる、最重要の欄です。
管内移転(様式1-13)2:
「本店」○県○市○町○丁目○番○号
「原因年月日」令和○年○月○日移転
管外移転(様式1-14)の旧所在地宛て(1通目)3:
「登記記録に関する事項」令和○年○月○日○県○市○町○丁目○番○号に本店移転
管外移転の新所在地宛て(2通目)3:
「登記記録に関する事項」令和○年○月○日○県○市○町○丁目○番○号から本店移転
1通目の「〜に本店移転」の住所には変更後の本店を記載します(記載例の注記)3。2通目は「〜から本店移転」という文言のとおり、「から」の前に移転元(変更前)の住所が入る様式です3。日付は、変更の決議をした議事録に記載されている移転の時期(実際に移転した日)を記載します23。
6. 登録免許税
「金3万円」と記載します(本店1箇所につき3万円 — 登録免許税法 別表第一24号(一)ヲ)2345。管外移転は①②の両申請書にそれぞれ「金3万円」と記載します(合計6万円)6。納付は収入印紙または領収証書で行います2。費用全体の内訳は本店移転登記の費用まとめをご覧ください。
7. 添付書類
法務局の記載例3では、定款変更を伴う典型例として次のとおりです。
| 書類 | 通数 | 備考 |
|---|---|---|
| 株主総会議事録 | 1通 | 定款変更をする場合に必要3 |
| 株主リスト(株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面) | 1通 | 3 |
| 取締役会議事録(取締役会を置かない会社は取締役の過半数の一致を証する書面) | 1通 | 3 |
| 委任状 | 1通 | 代理人に申請を委任した場合のみ3 |
管内移転で、定款に本店の所在地として最小行政区画(市区町村)までを規定しており、その範囲内で移転するときは、株主総会の決議は不要で、株主総会議事録・株主リストの添付も要しません2。管外移転の新所在地宛て(2通目)は、委任状を除き添付書類は不要です(商業登記法51条3項)8。
議事録の文例は本店移転の議事録の書き方、書類全体のチェックリストは本店移転登記の必要書類で解説しています。
8. 申請日・申請人・押印
申請年月日の下に、本店(管外の2通目は新本店)・商号・代表取締役の住所と氏名を記載し、**登記所に提出している印鑑(会社実印)**を押します23。代理人が申請する場合は代理人の住所・氏名も記載し、代理人の印鑑(認印可)を押します。この場合、申請書への代表取締役の押印は不要です3。
9. 連絡先の電話番号・宛先
日中つながる電話番号(携帯電話番号でも可)を記載します。補正(不備の修正)がある場合に法務局から連絡が来るためです1。宛先は、管内移転と管外移転の1通目は変更前の本店を管轄する法務局、管外移転の2通目は変更後の本店を管轄する法務局の名称を記載します23。
管内は1通・管外は2通|提出先の間違いに注意
管外移転の申請書2通は、どちらも旧所在地の法務局へ同時に提出します(商業登記法51条1項・2項)8。記載例にも「①②を同時に、変更前の本店所在地の登記所に提出してください」との注記があります3。経由申請の仕組み・却下の扱い・印鑑カードの再交付(2025年4月改正)など管外特有の論点は、管轄外への本店移転登記の進め方にまとめています9。
よくある記載ミス(法務局の注意書きより)
法務局の様式ページに掲載されている「申請で間違いやすいチェックポイント」1のうち、本店移転で特に関係するものです。
- 登記原因(移転日)を将来の日付にしない: 登記の事由が発生する前に申請はできません。本店移転の日より前に、本店移転の登記を申請することはできません12
- 届出印で押印する: 本人申請なら申請書に、代理人申請なら委任状に、登記所へ提出した印鑑(会社実印)を押します1
- 電話番号の記載漏れ: 日中つながる番号を忘れずに1
- 契印漏れ: 申請書(収入印紙貼付台紙を含む)が2枚以上になるときは、申請書に押印した人が各ページのつづり目に契印します1
- 訂正方法: 訂正は二重線で削除して近くに正しい記載をし、押印します。修正液等での修正や塗りつぶしはできません1
収入印紙の貼り方
登録免許税を収入印紙で納付する場合は、収入印紙を収入印紙貼付台紙等に貼付します。印紙を汚したり、印紙に割印をした場合、その印紙は使用できなくなります1。記載例の台紙にも「割印をしないで貼ってください」「消印作業の都合上、右側に寄せて貼り付けてください」と注記されています3。台紙を含めて申請書が複数ページになる場合は、つづり目への契印を忘れずに3。
期限は2週間|過ぎるとどうなる?
本店の所在場所など登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に変更の登記をしなければなりません(会社法915条1項)7。期限を過ぎても、そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが1、登記を怠ると100万円以下の過料(かりょう)の対象になり得ます(会社法976条1号)7。個別の事情については、司法書士または管轄の法務局にご相談ください。
申請書・議事録の作成はwiz法人登記なら4,500円(税別)
様式のダウンロードは無料ですが、「登記すべき事項」の文言や管外移転の2通の整合性など、自分で書くと迷いやすいポイントがあります。
wiz法人登記は、フォームに入力した内容をそのまま反映して、本店移転登記の申請書・株主総会議事録・株主リストなどをご自身で作成できるオンラインソフトウェアです(4,500円・税別)。個別の法的判断や申請の代理は行わず、作成した書類はご自身で確認のうえ法務局に申請いただきます。法定実費として登録免許税(管内3万円・管外6万円)が別途かかります。
参照法令・出典(確認日: 2026-07-15)
免責
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。個別のケースについては、司法書士または管轄の法務局にご相談ください。記載内容は確認日(2026-07-15)時点の法令・公表情報に基づきます。
Footnotes
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法務局 商業・法人登記の申請書様式 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
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法務局 株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所内で移転する場合)記載例(様式1-13) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001364566.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
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法務局 株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所外に移転する場合)記載例(様式1-14) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252661.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24
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登録免許税法 別表第一24号(一)ヲ(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035 ↩ ↩2
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国税庁 タックスアンサーNo.7191 登録免許税の税額表 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm ↩ ↩2
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法務局 様式1-14記載例(①②両申請書の「登録免許税 金3万円」の記載) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252661.pdf ↩ ↩2
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会社法915条1項・976条1号(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
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商業登記法51条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 ↩ ↩2
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法務省 本店を管轄登記所外に移転する際の印鑑届書の提出が不要になりました https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00228.html ↩
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。 個別のケースについては、管轄の法務局または司法書士にご確認ください。 記事内の法令・税額等は、記事末尾に記載の確認日時点の情報です。