住所変更登記申請書はどれを使う?|会社・代表者・不動産で様式が変わります

更新: 2026年9月1日15分で読める

「住所変更登記申請書」は、どの住所が変わったかによって使う様式が変わります。会社が本店を移転したときは「本店移転登記申請書」(株式会社は様式1-13・1-14)1、代表取締役の住所が変わったときは「株式会社役員変更登記申請書(住所移転)」(様式1-5)1、不動産の所有者(登記名義人)の住所が変わったときは不動産登記の「登記名義人住所・氏名変更登記申請書」2を使います。

本記事では、この振り分けと、それぞれの様式・登録免許税・期限の要点を整理します。対象は主に株式会社の一般的なケースです。

まず確認|どの住所が変わりましたか?

変わった住所使う申請書(様式)登録免許税詳しい書き方
会社の本店(株式会社・移転した場合)株式会社本店移転登記申請書(管内: 様式1-13/管外: 様式1-14)1本店1箇所につき3万円34。管轄外移転は申請書2件で計6万円5本店移転登記申請書の書き方
会社の本店(合同会社・移転した場合)合同会社本店移転登記申請書(管轄内: 様式3-5/管轄外: 様式3-6)1本店1箇所につき3万円36。管轄外移転は申請書2件で計6万円7合同会社の住所変更
代表取締役の住所株式会社役員変更登記申請書(住所移転)(様式1-5)11件につき3万円。資本金1億円以下の会社は1万円849代表取締役の住所変更登記
不動産の名義人の住所(個人の引っ越しなど)登記名義人住所・氏名変更登記申請書(不動産登記)2本記事のスコープ外法務局「不動産登記の申請書様式について」2

特例有限会社の本店移転には様式2-5(管内)・2-6(管外)が同じ様式ページに掲載されています1。法務局は、これらとは別に「株式会社変更登記申請書(住居表示の実施等による本店の変更)」(様式1-18-1)も掲載しています1(掲載場所は様式の一覧のとおりです)。また、登記以外の届出(税務署・年金事務所など)を含めた住所変更手続きの全体像は会社の住所変更手続きまとめをご覧ください。

「住所変更登記申請書」という名前で探している方へ

法務局の「商業・法人登記の申請書様式」ページでは、会社が本店を移転した場合に使う申請書は「本店移転登記申請書」という名称で掲載されています1。代表取締役の住所が変わった場合に使う申請書は、「役員変更登記申請書(住所移転)」という名称で掲載されています1。つまり、会社に関する住所変更では、「住所変更」ではなく「本店移転」「役員変更(住所移転)」といった変更事由の名前で様式を探すことになります(株式会社の変更登記の様式番号の一覧は変更登記申請書の書き方にあります。住居表示の実施等による本店の変更には、さらに別の様式が掲載されています。次の節で掲載場所を整理します)。

一方、「登記名義人住所・氏名変更登記申請書」という名称の様式は、不動産登記の様式ページ(「1 名義人の住所・氏名変更」)に掲載されています2。引っ越しに伴って持ち家やマンションの登記上の住所を変えたい場合はこちらで、会社の登記(商業登記)とは手続きの体系が異なります。

様式はページのどこにある?|掲載場所の一覧

法務局の「商業・法人登記の申請書様式」ページは、「住所を変えた」といった目的ではなく、会社の種類ごと・登記の種類ごとの節に分かれています1。株式会社の本店移転の様式は「第1 株式会社」の「3 商号・目的の変更、本店移転」の節に、代表取締役の住所の様式は同じ「第1 株式会社」の「2 役員変更」の節に置かれています1

変わった住所掲載ページページ内の場所様式
株式会社の本店(移転した場合)商業・法人登記の申請書様式1第1 株式会社 → 3 商号・目的の変更、本店移転1-13(管轄登記所内移転)・1-14(管轄登記所外移転)1
株式会社の本店(住居表示の実施等による場合)同上第1 株式会社 → 5 その他1-18-1(住居表示の実施等による本店の変更)1
特例有限会社の本店(移転した場合)同上第2 特例有限会社 → 2 商号・目的の変更、本店移転2-5(管轄登記所内移転)・2-6(管轄登記所外移転)1
合同会社の本店(移転した場合)同上第3 持分会社(合同会社) → 3 商号・目的の変更、本店移転3-5(管轄内移転)・3-6(管轄外移転)1
代表取締役の住所同上第1 株式会社 → 2 役員変更1-5(住所移転)1
不動産の名義人の住所不動産登記の申請書様式について21 名義人の住所・氏名変更1-1(住所移転の場合)。会社の商号又は本店を変更又は移転した場合の様式1-5も同じ節に掲載2

法務局は、様式名を「株式会社変更登記申請書(住居表示の実施等による本店の変更)」とする様式1-18-1を掲載しています1。この様式は「3 商号・目的の変更、本店移転」ではなく「5 その他」の節に置かれています1

上の表に挙げた商業・法人登記の様式は、いずれも**記載例(PDF)と申請書様式(Word・PDF)**がセットで掲載されており、記載例には「←最初にこちらをご覧ください。」という案内が添えられています1。なお、「1-5」という同じ番号が2つのページに出てきます。商業・法人登記の「1-5」は役員変更(住所移転)の様式1、不動産登記の「1-5」は登記名義人住所・氏名変更(会社の商号又は本店を変更又は移転した場合)の様式2で、別のページの別の様式です。

記入項目や添付書類の書き方は、株式会社の本店移転は本店移転登記申請書の書き方、代表取締役の住所は代表取締役の住所変更登記、合同会社は合同会社の住所変更でそれぞれ解説しています。

会社が本店を移転した場合|本店移転登記申請書

本店を移転する場合、株式会社が使う様式は2つに分かれます。旧本店と新本店を同じ法務局が管轄していれば様式1-13、管轄する法務局が変わる場合は様式1-14です1。登録免許税は本店1箇所につき3万円34。管轄が変わる移転では旧所在地宛て・新所在地宛ての2件の申請書を提出するため、合計6万円になります5

申請書の記入項目、株主総会議事録などの添付書類、記載例の読み方は、本店移転登記申請書の書き方で管内・管外それぞれ解説しています。

合同会社は様式3-5(管轄内)・3-6(管轄外)を使います1。登録免許税の考え方は株式会社と同じで、本店1箇所につき3万円3、管轄外移転では申請書2件で合計6万円です67。一方で添付書類は株式会社と異なります。法務局の記載例が挙げているのは、業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面のほか、定款変更をする場合の総社員の同意書、定款の定めを証する必要がある場合の定款、代理人に申請を委任した場合の委任状です6。詳細は合同会社の住所変更をご覧ください。

代表取締役の住所が変わった場合|役員変更登記申請書(住所移転)

代表取締役個人が引っ越しただけであれば、会社の本店は変わらないため、役員に関する事項の変更として様式1-5「株式会社役員変更登記申請書(住所移転)」を使います1。住所移転以外の役員変更(就任・退任・重任・氏名変更)では別の様式を使います。様式の選び方は役員変更登記のやり方で扱っています。登録免許税は1万円(資本金1億円以下の会社の場合。1億円超は3万円)です849。添付書類は原則不要で、法務局の記載例が挙げるのは代理申請時の委任状だけです(住民票の添付も不要とされています)9

なお、一般的な株式会社で住所が登記事項となる役員は代表取締役です(会社法911条3項14号)10。代表権のない取締役は氏名のみが登記事項とされているため(同項13号)10、その方が引っ越しただけでは通常、変更登記の対象になりません(条文の号ごとの整理と、氏名変更・特例有限会社・合同会社の扱いは取締役・監査役の住所変更に登記は必要かを参照)。ただし指名委員会等設置会社では、代表取締役ではなく代表執行役の氏名及び住所が登記事項とされています(同項23号)10

手続きの流れ、本店移転との違い、住所非表示措置については代表取締役の住所変更登記で解説しています。

自宅兼本店の引っ越し|登記が2つ必要になるケース

代表取締役の自宅を会社の本店として登記していて、その代表取締役の転居にあわせて会社の本店も移転する場合は、本店の所在場所と代表取締役の住所の両方に変更が生じます。本店の所在場所と代表取締役の氏名及び住所はいずれも株式会社の登記事項とされているため(会社法911条3項3号・14号)10、一般にこの場合は本店移転登記と代表取締役の住所変更登記の2つが必要になります。登録免許税の区分も、本店移転(登録免許税法 別表第一24号(一)ヲ)と役員に関する事項の変更(同カ)で別々に定められており、それぞれの区分で納付します38

なお、会社の本店だけが移転して代表取締役の住所は変わらない場合や、その逆の場合は、実際に変更が生じた登記事項についてのみ登記をすることになります(会社法915条1項)11。ご自身がどちらに当たるか判断に迷う場合は、司法書士または管轄の法務局にご確認ください。

期限は2週間|共通の注意点

登記事項に変更が生じたときは、原則として本店の所在地で2週間以内に変更の登記をすることとされています(会社法915条1項)11。本店移転でも代表取締役の住所変更でも、この期限は共通です。この登記を怠ったときは、取締役等が100万円以下の過料(かりょう)に処せられることがあります(会社法976条1号)12。期限を過ぎていても、気づいた時点で早めに申請しましょう。

FAQ

Q. 住民票は必要ですか?

A. 代表取締役の住所変更では不要とされています(記載例の添付書類は代理申請時の委任状だけです)9。本店移転の添付書類は詳細記事で解説しています。

Q. オンラインで手続きできますか?

A. 法務局は、登記の申請方法にはオンライン申請と書面申請の2つがあると案内しています1。あわせて「登記・供託オンライン申請システムによる登記すべき事項の提出」「登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体(CD-R等)の提出」の案内も同じページに置かれています1。本記事は書面申請を前提に様式を整理しているため、オンライン申請の利用方法は法務局の案内をご確認ください。

本店移転の申請書類はwiz法人登記なら4,500円(税別)でご自身で作成できます

wiz法人登記は、フォームに入力した内容をそのまま反映して、本店移転登記の申請書・株主総会議事録・株主リストなどをご自身で作成できるオンラインソフトウェアです(4,500円・税別)。個別の法的判断や申請の代理は行わず、作成した書類はご自身で確認のうえ法務局に申請いただきます。登録免許税などの実費は別途必要です(本店移転の場合、本店1箇所につき3万円。管轄が変わる移転は申請書2件で合計6万円)35

なお、wiz法人登記が対応しているのは株式会社の本店移転・目的変更の書類作成のみです。代表取締役の住所変更登記、合同会社の登記、不動産登記の書類作成には対応していません。これらに該当する方は、本記事で紹介した法務局の様式・記載例12をご利用ください。


参照法令・出典(確認日: 2026-07-28)

免責

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。個別のケースについては、司法書士または管轄の法務局にご相談ください。記載内容は確認日(2026-07-28)時点の法令・公表情報に基づきます。

Footnotes

  1. 法務局「商業・法人登記の申請書様式」(様式1-5・1-13・1-14・2-5・2-6・3-5・3-6ほか) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

  2. 法務局「不動産登記の申請書様式について」(1 名義人の住所・氏名変更) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html 2 3 4 5 6 7 8

  3. 登録免許税法 別表第一24号(一)ヲ(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035 2 3 4 5 6

  4. 国税庁タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm 2 3 4

  5. 法務局「株式会社本店移転登記申請書(管轄登記所外移転)」記載例(申請書2件・各金3万円) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252661.pdf 2 3

  6. 法務局「合同会社本店移転登記申請書(管轄内移転)」記載例(様式3-5) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001365348.pdf 2 3

  7. 法務局「合同会社本店移転登記申請書(管轄外移転)」記載例(様式3-6。旧所在地宛て・新所在地宛ての2件それぞれに金3万円) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001365349.pdf 2

  8. 登録免許税法 別表第一24号(一)カ(取締役、代表取締役等に関する事項の変更の登記・1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社は1万円)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035 2 3

  9. 法務局「株式会社役員変更登記申請書(住所移転)」記載例(様式1-5) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252646.pdf 2 3 4

  10. 会社法911条3項3号・13号・14号(本店の所在場所・取締役の氏名・代表取締役の氏名及び住所は登記事項)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086#Mp-At_911 2 3 4

  11. 会社法915条1項(変更の登記・2週間以内)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 2

  12. 会社法976条1号(登記を怠ったときは100万円以下の過料)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。 個別のケースについては、管轄の法務局または司法書士にご確認ください。 記事内の法令・税額等は、記事末尾に記載の確認日時点の情報です。

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