事務所移転のお知らせ文例|取引先・顧客への文面とそのまま使えるテンプレート

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事務所移転のお知らせの主な記載項目は、**「移転の事実」「新しい住所」「業務を開始する日」「連絡先の変更の有無」「現在の拠点で業務を行う最終日」**の5点です。この記事では、そのまま使える文例を取引先向け・顧客向け・短文の3パターンで掲載し、あわせて、会社の本店そのものを移す場合に必要な変更登記の期限との関係を整理します。

お知らせに書く項目

項目書く内容
移転の事実事務所を移転する旨
新しい住所郵便番号・建物名・階数まで
業務開始日新しい事務所で業務を始める日
旧事務所の最終営業日現在の場所で業務を行う最終日
電話・FAX番号変更の有無を明記(変わらない場合も「変更ありません」と書く)
交通案内最寄り駅・徒歩分数など(必要に応じて)

電話番号が変わらない場合も、「変更ありません」と明記する形にしています。

文例A: 取引先向け(書面・挨拶状)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、このたび弊社は業務拡充に伴い、下記のとおり事務所を移転する運びとなりました。これを機に、社員一同、皆様のご期待に添えますよう一層努力してまいる所存でございます。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。

敬具

新住所 〒000-0000 ○○県○○市○○一丁目2番3号 ○○ビル4階 新電話番号 00-0000-0000(変更ありません) 新FAX番号 00-0000-0000 業務開始日 20XX年○月○日 旧事務所最終営業日 20XX年○月○日

以上

「業務拡充に伴い」の部分は、実際の理由に合わせて「事業拡大に伴い」「業務効率化のため」などに置き換えてください。理由を記載しない場合は、「下記のとおり事務所を移転することとなりました」のように簡潔な文面にできます。

文例B: 顧客・利用者向け(メール)

件名: 【事務所移転のお知らせ】○○株式会社

○○様

いつも○○をご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび弊社は、下記のとおり事務所を移転いたします。

■ 新しい住所 〒000-0000 ○○県○○市○○一丁目2番3号 ○○ビル4階

■ 新事務所での業務開始日 20XX年○月○日(○)

■ 旧事務所での最終営業日 20XX年○月○日(○)

■ 電話・FAX番号 変更ありません(TEL: 00-0000-0000 / FAX: 00-0000-0000)

移転作業に伴い、20XX年○月○日(○)は電話でのお問い合わせをお受けできません。ご不便をおかけしますが、何とぞご了承ください。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○○株式会社 担当 ○○

メールの件名は、「事務所移転のお知らせ」と社名が分かる形にできます。

文例C: 短文(メール署名・Webサイト掲載用)

【事務所移転のお知らせ】 20XX年○月○日より、下記へ移転いたしました。 〒000-0000 ○○県○○市○○一丁目2番3号 ○○ビル4階 (電話・FAX番号に変更はございません)

必要に応じて、移転後はメール署名やWebサイトのフッターにもこの短文を掲載してください。

お知らせと登記手続きの関係

事務所の移転が、会社の本店そのものの移転にあたる場合は、お知らせとは別に法務局への変更登記が必要です。ここは通知文の書き方と違って、法律で期限が決まっている部分です。

株式会社では、本店および支店の所在場所が登記事項です(会社法911条3項3号)1 合同会社でも、本店および支店の所在場所は登記事項です(会社法914条3号)2。そして登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に、本店の所在地において変更の登記をしなければなりません(会社法915条1項)3 この登記を怠った取締役等は、100万円以下の過料に処せられることがあります(会社法976条柱書・1号)4過料の名宛人は会社ではありません。 会社法976条柱書は、発起人・取締役・清算人などを名宛人として列挙しており、会社そのものは列挙されていません4

申請の順序についても決まりがあります。法務局の記載例には「本店移転の日より前に、本店移転の登記の申請をすることはできません」と明記されています。これは株式会社の様式(1-13・1-14)にも合同会社の様式にも共通して記載されています5。つまり、移転日を迎える前に登記だけ先に済ませておくことはできません。

この2点から、通知文と登記の関係は次のように整理できます。

  • 会社法915条1項が2週間以内と定めているのは、登記事項に変更が生じた場合の変更登記です3。取引先へのお知らせと変更登記は、別のものとして分けて準備してください
  • 登記の申請は移転日以降にしかできず5、期限は実際に移転した日から2週間以内です35

登記完了後の手続きについては本店移転登記が完了したらで解説しています。

2週間の数え方(初日を算入するかどうか、末日が行政機関の休日にあたる場合の扱い)は変更登記の期限の起算日と数え方で整理しています。期限を過ぎてしまった場合の考え方は変更登記を怠ったときの過料をご覧ください。

なお、会社法915条1項が変更の登記を求めているのは、登記事項に変更が生じたときです3。登記上の本店の所在場所を変えずに実際の業務拠点だけを移す場合は、本店の所在場所という登記事項に変更が生じていないことになります。一方、その拠点が支店として登記されている場合、支店の所在場所も登記事項であり(株式会社は会社法911条3項3号1、合同会社は914条3号2)、そこに変更が生じたときは2週間以内の変更の登記が必要です(会社法915条1項)3

お知らせと同時に進める手続き

本店を移転する場合に、通知文の準備と並行して確認しておきたい事項を、担当の記事にまとめています。

やること参照
本店移転登記の全体の流れ・費用本店移転登記の手続きガイド
必要書類をケース別に確認する本店移転登記の必要書類チェックリスト
申請書の書き方・記載例本店移転登記申請書の書き方
登記完了後の証明書取得・官公庁への届出本店移転登記が完了したら
賃貸オフィスから移転する場合の注意点賃貸オフィスの移転と登記

郵便物の転送(転居届)については、日本郵便の案内をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. お知らせは移転前と移転後のどちらに出すべきですか? 本店移転の登記は、本店移転の日より前には申請できず5、登記事項に変更が生じてから2週間以内に申請します3。取引先へのお知らせについては、旧事務所の最終営業日と新事務所の業務開始日の両方を記載できるようにしたうえで、案内する時期は取引関係に応じて社内でご判断ください。

Q2. お知らせを出さなかった場合、罰則はありますか? 会社法976条は、柱書で発起人・取締役・清算人などを名宛人として100万円以下の過料を定め、その1号に「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」を掲げています4。取引先・顧客向けのお知らせと、本店移転の変更の登記は、別のものとして分けてご確認ください。

Q3. 登記より先にお知らせを出すことはできますか? 本店移転の登記は、本店移転の日より前には申請できません5。移転日より前に取引先へ案内する場合は、登記の申請より先に案内が届く順序になります。

Q4. 文例の書き出しは「拝啓」でなくても構いませんか? 本記事では、書面向けに頭語・結語を含む文例A、メール向けにこれらを省いた文例Bを掲載しています。送付方法や相手に応じて選んでください。

Q5. 登記が完了した後の手続きも知りたいのですが。 新しい登記事項証明書・印鑑証明書の取得や、官公庁への届出など、登記完了後にやることは本店移転登記が完了したらで解説しています。


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登録免許税などの実費は別途必要です(金額の内訳は本店移転登記の費用で解説しています)。

参照法令・出典(確認日: 2026-07-29)

Footnotes

  1. 会社法911条3項3号(株式会社の設立の登記の登記事項・「本店及び支店の所在場所」・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086#Mp-At_911 2

  2. 会社法914条3号(合同会社の設立の登記の登記事項・「本店及び支店の所在場所」・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086#Mp-At_914 2

  3. 会社法915条1項(「二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない」・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086#Mp-At_915 2 3 4 5 6

  4. 会社法976条柱書・1号(柱書が「百万円以下の過料に処する」と定め、その名宛人として発起人・取締役・清算人等を列挙。会社は列挙されていない。1号が「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」・e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086#Mp-At_976 2 3

  5. 法務局「商業・法人登記の申請書様式」の本店移転登記申請書の記載例。株式会社: 様式1-14 管轄外 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252661.pdf / 様式1-13 管轄内 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001364566.pdf 。合同会社: 管轄外 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001365349.pdf / 管轄内 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001365348.pdf4様式のいずれにも「本店移転の日より前に、本店移転の登記の申請をすることはできません。」と記載。移転日については様式1-14に「日付は変更の決議をした議事録に記載されている移転の時期(実際に移転した日)を記載します。」(様式1-13は同趣旨で読点の位置のみ相違)。一覧ページ: https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html 2 3 4 5

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。 個別のケースについては、管轄の法務局または司法書士にご確認ください。 記事内の法令・税額等は、記事末尾に記載の確認日時点の情報です。

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